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2021.09.22

更新2022.07.27

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業務改善とは?取り組むメリットやポイントをわかりやすく解説

目次

SYNCPITチャットボットがもたらす3つの効果とは??

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現代において、労働力不足や働き方改革による労働時間短縮への対応は、どの企業も取り組まなければならない重要な課題となっています。しかし、一口に「業務改善」といっても、どのような切り口で取り組めば良いのか分からないと悩む企業も多いでしょう。そこで今回は、業務改善とはどのような考え方を表すのか、また業務改善に取り組む際のポイントや成果の指標となるQCDの考え方などについてわかりやすく解説します。

業務改善とは

業務改善とは、「企業経営を健全化するために、業務効率化を目指すこと」です。現行の業務フローを洗い出して問題点を分析し、自社の課題となっている点を探し出すことによって、無駄な業務を削減したり、より効率的な作業方法を編み出したりして、生産性や売上の向上を期待できます。

業務改善によって売上が向上すれば、経営計画の達成にも近づきます。さらに社内全体の業務が可視化されてブラックボックスが解消され、健全な企業経営にもつながります。

業務改善と経費削減のちがい

業務改善と経費削減はしばしば似たような意味合いで用いられることがありますが、業務改善が必ずしも経費削減へとつながるわけではありません。

業務改善は社内業務を効率化させられる可能性がある全ての業務を対象として行うものであり、企業体質を見直して健全な経営を目指すことが目的です。業務改善によって浮かび上がる課題は企業によって多種多様で、中長期的な目線で取り組まなければならないものも数多くあるでしょう。

一方で、経費削減は文字どおり経費を削減することのみを目的としています。使っていない電気を消して電気代を削減したり、不要な事務用品の購入を控えて事務用品費を削減したりと、削減箇所を見つけ出してコストカットをはかることで、自社の利益を確保します。

業務改善は結果がうまく表れないこともありますが、経費削減は削減する部分が見つかれば、ほぼ確実に達成可能であるという違いがあります。業務改善によって経費削減が達成されるのは副次的な効果に過ぎませんが、経費削減は経費を減らすことそのものを目的としているという点で、それぞれ異なっています。

業務改善におけるQCDとは

業務改善においては、「QCD」という指標がよく利用されます。QCDとは「Quality(品質)」「Cost(費用)」「Delivery(納期)」の3つの英単語の頭文字から取った言葉で、業務改善の成果を判定するための指標として定量的に用いられます。

QCDの3つの指標は連動しており、一つひとつの要素を向上させることによって全体の成果も高まるという特徴があります。ただし、どれかひとつの要素が極端に高かったり、低かったりしても良い結果は生まれません。QCDの全ての要素がバランス良く整っていることが、業務改善を達成する上では重要です。

例えば、品質を高めようとすると相応の費用が発生し、納期も延びることになるでしょう。しかし、納期を短縮することばかりを考えていると品質が低下したり、配送費用が高額になったりする可能性があります。

これらの3つのQCDのバランスがうまく取れている状態こそが、健全な経営を実現するための条件であるといえるのです。

企業が業務改善に取り組む理由

企業が業務改善に積極的に取り組む理由としては、生産性の向上の必要性や労働力不足への対応、加えて働き方改革によって労働時間の短縮が求められているという背景があります。

業務改善を行う際は、問題点だけではなく、さらに改善していける課題を発見することから開始します。業務改善は改善しなければならない問題が存在するから行うのではなく、社内の状況をより良くするためのものであるといえるでしょう。

さらに、近年は少子高齢化による労働力不足が深刻化してきており、どのような業種も人手不足に陥りつつあります。このような環境下でスムーズに業務をこなすためには、業務改善による生産性の向上が欠かせません。
今後少子高齢化はますます深刻になるとみられており、企業はさらなる労働力不足に直面する可能性が高いといえます。まだ具体的な問題が表面化していない企業であっても、その時に備えて今から対策を行っていく必要があります。

加えて、働き方改革によって企業がむやみに従業員へ残業を強いることはできなくなり、極力仕事をより効率よく終えて定時で退社するように求められるようになりました。時間内に業務を終わらせるためにも、業務改善は不可欠です。

業務改善のメリット

業務改善を行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、代表的な4つのメリットについて解説します。

メリット1:コスト削減

業務改善が成功すると、コスト削減も同時に達成できる場合があります。前述の業務改善と経費削減の違いの項でもお伝えしましたが、業務改善と経費削減はイコールというわけではありません。しかし、業務改善によって経費削減が達成されるケースも多いのです。

会社全体のコストを見直すときには、まず経費削減から考える経営者も数多くいます。しかし、経費削減は自社が注力している商品やサービスの質を低下させてしまうリスクもあるため、単純にコストカットに成功したから「良い」というものではないのが実情です。

これに対して、業務改善はコスト削減を達成しつつ、商品やサービスの品質も維持できる方法だといえます。

メリット2:業務の効率化

現行の業務フローを振り返ることによって、無駄な部分に気がつき、業務効率化を実現できます。「今のやり方が正しいに違いない」と思い込んでいると、いつまでも無駄な作業を行っていることに気がつけない可能性もあるため、業務フローを定期的に見直すことは重要です。

例えば「部門同士のコミュニケーションがうまく行っていない」「二重確認が頻繁に発生する」などの課題は、業務フローに問題があるケースが多いでしょう。部門を超えてWeb上でやり取りできるようにしたり、確認回数が最小限で済むようなフローに改善したりすることで、大きな効率化を実現できます。

メリット3:労働環境の改善

「作業時間を平準化する」「従業員が最大のパフォーマンスを発揮できる環境を整える」といった労働環境の改善は、従業員のモチベーションにもつながる重要な要素です。従業員が1日に処理できる業務量は限られているため、能力以上の業務を割り当てられるとパフォーマンスは低下しやすくなります。

全体の業務を可視化した上でマネジメントを行い、従業員全員の作業時間を平準化することによって労働環境を改善できます。

メリット4:生産性の向上

業務改善は、生産性の向上も実現します。企業の生産性を測る指標は、「投じた経営資源(コスト)に対してどのくらいのリターンを獲得できたか」によって表されます。このことから、業務改善によって生産性の向上をはかるのであれば、業務にかかった時間も重要であると考えられます。

5名で行っていた業務の1人あたりの作業時間を15分短縮できると、全体で75分の短縮が可能になります。この75分は他の重要な業務に回すことができるため、生産性をさらに向上させられる重要な経営資源となります。

業務改善の対象となる業務の種類

社内の業務には大きく分けて「企画業務」と「管理業務」があります。このうち日常的にこなさなければならないルーティン業務は管理業務に分類されます。業務改善は、このルーティン業務を対象とするのが最も効果を得やすいといわれています。

ルーティン業務は誰でもこなせる定型業務であり、専門性はほとんど必要としません。そのため、自動化や簡略化、マニュアル化などの業務改善のための工夫に取り組みやすいのが特徴です。

業務改善を進める際のポイント

業務改善を進める際は、次の4つのポイントを意識することが大切です。

業務の可視化

業務改善を行うにあたって、まずは社内に存在するすべての業務を可視化する必要があります。業務の可視化を行うことによって「どの部署に何の業務が割り当てられているのか」「複数部署に関連する業務はどれなのか」を把握できます。

社内業務は、定型業務以外の業務も数多く存在します。日常的に発生する業務のほかに、突発的に発生するイレギュラー業務までくまなく洗い出しましょう。

目標の設定

「業務改善によって何を達成したいのか」も重要なポイントです。

労働時間の短縮やコスト削減など、業務改善の目的は企業によってさまざまです。そのため、自社にとっての目的がどこにあるのかを明確に定めなければ思うような効果が表れない可能性があります。「今回の業務改善は何を目的としているのか」を明確にした上で、社内に周知し理解を得ることが大切です。

優先順位をつける

社内業務を洗い出してみると、多くの課題が見つかるでしょう。しかし、見つかった課題にやみくもにアプローチするのでは、本当に重要な課題がいつまでも解決されずに放置されてしまう可能性があります。

そのため複数の課題に優先順位をつけることで、どの課題から解決していかなければならないのかを把握することが重要です。業務改善の優先順位は、改善の難易度や改善することによって得られる効果の大きさなどから設定するのが一般的です。

マニュアル作成

業務フローを変更した場合は、新たな業務フローをマニュアル化しておくことをおすすめします。最新のマニュアルを用意しておくことによって、担当者がすぐに業務内容を確認できるだけでなく、担当者が不在であっても誰でも同じ成果を上げられるようになるというメリットがあるからです。

古いマニュアルがある場合は、放置せずに必ず更新しましょう。古いままになっているとマニュアルを参照した人が誤った手順で業務を行う可能性があり、トラブルのもとになります。

業務改善を行う上での改善策

業務改善を行う上で取り組める改善策として、次の6つの項目が挙げられます。それぞれの改善策に取り組むことで、全体の業務効率を大幅に向上できるでしょう。

無駄な業務をなくす

当然のように思えますが、無駄な業務をなくすことで業務効率は大きく改善します。社内全体を見渡すと、無駄な業務に時間を取られている例は多くあります。日頃当たり前のように取り組んでいる業務であっても、よく考えると不要だったり、簡略化できたりすることに気がつくことも少なくありません。

「絶対に必要な業務だ」と思っていても、一度立ち止まって本当に必要な業務かどうか振り返ってみることも大切です。

自動化できる業務を自動化する

これまで手動で行ってきた業務の中で、自動化できるものがあれば積極的に自動化していきましょう。Excelでよく繰り返す作業はマクロを組んで自動的に処理できるようにしておいたり、定型的な業務はRPAを導入してロボットに処理させたりする方法が考えられます。

また、チャットボットの活用も効果的です。チャットボットとは、カスタマーサポートなどの問い合わせや社内の問い合わせ対応に対して、あらかじめ登録しておいた回答を自動的にロボットが回答してくれるものです。複雑性の高い質問には適用できませんが、よくある質問に関しては高い効果を発揮します。

業務をまとめる

これまで複数人で担当していた業務を一人の担当者やひとつのチームにまとめることで、業務効率の向上がはかれる場合もあります。担当者が複数人いると、情報共有に時間がかかって業務効率が低下する場合があるからです。

複数人に担当者を分けると一人が不在になってしまうだけで業務全体が滞るなどの支障をきたすケースもあるため、まとめられる業務をまとめるのは効果的なアイディアのひとつといえます。

時間を短縮化する

日常業務にかかる時間を短縮できれば、生産性は大きく向上します。一つひとつの業務にかかる時間は短いかもしれませんが、少しずつ短縮するだけで全体の業務時間を大きく短縮できるでしょう。

高性能なパソコンを使って処理のスピードを高めたり、メールの返信にかける時間を短くしたり、会議の時間を最初から決めておいたりするなど、アイディア次第でさまざまな時間短縮が可能です。

アウトソーシングする

社内で滞りやすい業務や極端に時間がかかる業務があれば、アウトソーシングするのも手段のひとつです。外部企業に業務を任せることによって、社内で処理しなければならない業務を減らすことができます。これにより業務効率を向上させられるだけでなく、さらに価値の高い業務にリソースを割り当てられるというメリットもあります。
データ入力や請求書印刷、封入・封緘業務など、事務作業にかかる時間は案外多いものです。アウトソーシングできそうな業務を見つけることも、業務改善の一環といえます。

優先順位づけをする

処理するタスクに優先順位をつけることによって、業務改善をはかることも可能です。業務には必ず優先順位が存在するため、需要性の高い業務にリソースを多く割り当てることによって、社内全体のリソースを有効活用できます。

優先順位をつけている途中で、実は優先順位が低いタスクに必要以上の時間をかけていたことに気がつくケースもよくあります。優先順位づけは、これまでの無駄を見直すきっかけにもなるでしょう。

まとめ

業務改善に取り組むことで、コスト削減や業務効率の向上などさまざまなメリットが期待できます。まずは社内の業務を洗い出し、より改善の効果が出やすいルーティン業務から取りかかってみるといいでしょう。

業務改善のためのアイディアは数多くあるため、自社が取り組めそうなところから少しずつ範囲を広げていくのも手段のひとつです。小さな積み重ねが大きな改善につながることを意識することが、業務改善を成功させるための一歩となります。

SYNCPITチャットボットがもたらす3つの効果とは??

▼資料内容​
・バックオフィスが抱える課題
・ビジネスチャット導入の実態
・業務改善だけじゃない!
 SYNCPITがもたらす3つの効果 ​

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Written by 田村彩乃

ITコンサルタントとして7年間システム提案に携わった後、フリーライターとして独立。 IT、マーケティングに関するコラムを中心として、人材、ECなどにまつわる記事をWebをはじめとした多くのメディアで執筆。

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